九十九島のカブトガニ
自然海岸が多く残されている九十九島は、生活の場を失いつつあるカブトガニにとって残された貴重な生息地のひとつです。この環境がこれからも永遠に、カブトガニにとって楽園であって欲しいと願いながら、当館では調査や研究に取り組んでいます。
生きた化石と呼ばれているカブトガニ。
2億年も昔から姿形を変えないで生息し続けてます。 しかし、近年、埋め立てなどの開発によりカブトガニが激減しています。
2億年もの間、生きのびてきたカブトガニ。
大きな環境の変化にも順応できる強い体をもち、子孫をのこしてきました。
7月~8月の大潮の満潮の時に、ペア(つがい)で卵を生みにやってきます。産みつけられた卵は、約50日後に孵化し、幼生(こども)は、引き潮に乗り河口干潟へと移動します。 干潟で、脱皮を繰り返しながら成長します。大きくなるにつれ、九十九島の沖へと生活の場を移動します。約15~16回の脱皮を繰り返し、10年以上かけて大人になったカブトガニはペアとなり、産卵のため砂地へとやってきます。カブトガニが生きていくためには、河口域から沿岸の多様な環境が必要です。